有頂天ホテル | ノスタルジック小学校

有頂天ホテル


ちょっと前のことになるんだけど、
お友達に招待してもらって THE有頂天ホテル を見に行った。
もちろん映画館で。

ドライブインシアターが好きなものだから
きちんとした映画館で映画を鑑賞するというのはもう何年ぶりかになる。
シートに座ると、
肘掛に紙コップ専用の穴が開いていたりしてなんだか新鮮だった(笑)。

予告の前に
例の美容外科のCMがなかったのが残念だ。
最近はアレやってないのかな。
生きて帰れるのだろうかと不安になるくらいの
おどろおどろしたあの廃屋のような建物がアップで見たかったりしてね。

THE有頂天ホテル。

三谷幸喜の作品は語れるほど詳しくはないんだけど、
それでも
これはかなり面白かったんじゃないのかなーと思う。
小ネタが数多くばらまかれていて、いちいち拾っていくとものすごくおかしい。
本当は大声でげらげら笑いたかったんだけどね。

さすがは三谷幸喜というべきだろうか。
大晦日という日本人にとって特別な、
あわただしくて
晴れやかで
そしてやや物悲しい気分をもった
そんなひとときをうまくドラマに仕立てたという感じ。
物語は
ぐるりと一回りまわって結局は元のところに帰っていくようだけれど
すべてが元通りというわけじゃなく、
その納まり方が
ちょっとズレたりぴたりとハマったりでなんとも見事だ。

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以前にホテルで働いていたので
こういう
ホテルを舞台にした映画とかドラマを見るときには実はちょっとどきどきする。
でも
どういうわけかしっくりくる作品はまだないんだな。

たとえば
病院を舞台にしたものだと、医療監修者なんかがきちんとついていて
治療や手術の手つきなんかを指導するというような話を聞く。
もちろん
実際の看護士や医師からするとお粗末なものかもしれないけどね。
だけど
ホテルの仕事なんてそんなふうに監修するようなものでもないから
もっと見ていてしっくりきてもいいようなものだけど。
姉さん事件です で始まるあの有名なドラマも、どういうわけか肩すかしを喰らう。

ホテルというのは
基本的にお客様が主役なわけで、ホテルマンは脇役に徹しないといけない。
でも
そのホテルマンが主人公になり一流の俳優さんが演じると
スポットライトはそのホテルマンにまともに当たってしまう。
そうなるともうお客は脇役だ。
しっくりこない理由というのは
もしかするとそこらへんにあるのかもしれないですね。

さて
篠原涼子が演じたコールガールですが、
実際のホテルにもそういう感じの、出入り禁止の方はいらっしゃいます。
彼女たちはそれぞれに固有の隠語(あだ名?)が与えられており、
お姿を見かけると従業員は即座に警備員に連絡を取る。
そしてそっと
目立たぬようにホテルの外に出され、お引取りいただくのだ。

映画を見られた方にはお分かりだろうけど、
三谷幸喜はそんなところにもスポットを当てていた。

大晦日というのは
誰にとっても
やっぱり特別な一日なのかもしれませんね。