春の草花 | ノスタルジック小学校

春の草花


つくしのことを書いたら、春の草花についていろいろ思い出してしまった。

私は瀬戸内海ににゅっと突き出た半島で育った。
そこは目の前は海、後ろを向けば山という
遊ぶのにはもってこいの場所だったんだよね。
昨日は海に行ったから今日は山で遊ぼう!みたいなノリで
毎日飽きもせず、友だちと何かをして遊んだもんだ。

山には小さい田んぼがたくさん棚田になっていて
そこを縫うようにあぜ道が走っていた。
今の季節だと
たしかサイタナとかハイタナとかいう植物が生えていて
短くて太いのを節のところでぽきんと折っては
まわりの皮を剥いで齧っていた。
スイスイバの葉っぱもよく齧った。
カタバミのピンク色をした花を摘んでは、細い茎を齧った記憶もある。
そういえばこの三つはどれも酸っぱい。

レンゲの花の蜜や
山ツツジの花の蜜もよく吸った。
こちらは甘いほう。
学校の花壇のサルビアの蜜も吸ってたな。
たまに
花についていたアリまで口に入っちゃったりしてね。
大慌てで吐き出したりして。

そんなのって
特別おいしいものではないと思うんだけど、
どういうわけで草花なんて齧ったりしてたんだろうね。
そんなにお腹がすいていたわけでもないだろうに(笑)。

今は
神奈川の海沿いに住んでいて、環境がちょっとだけ違うから
この季節は実を言うとちょっとだけ淋しかったりもするんだけど
つい先日のこと
近所でもめずらしい小さな畑があって
その脇に生えていたペンペン草のまわりに
小学校1年生くらいの男の子達が群がっていた。

そうそう、こうやってよく道草食ったなぁと
なんとなく牧歌的な気分になってしまった。

そういえば昔は
あちこちに手を伸ばして手折れる草花が
今よりもたくさんあったんだよな。