遭遇 | ノスタルジック小学校

遭遇

末姫は園バスに乗って帰って来る。

ちょうど夫が休みだったので
車に乗って買い物に出かけた。

降園の時間が近付いてきたので
急いで家に向かって車を走らせていたら、
園を出たバスと偶然にもすれ違った。

末姫は一番前の席に乗っている。

すれ違いざまに
夫と私はバスに向かって一生懸命に手を振った。
一瞬だったけど、末姫は気付いた表情をした。

数十分後、
お迎え地点に先に着いて待っていると、末姫の園バスが到着した。

バスを下りての帰路。
「ママ、さっきね、
 パパと さっちゃんちのママ がね
 一緒にパパの車に乗ってたんだよ!
 お手々振ってくれたの!」


さっちゃんちのママ?

いやそれ、間違いなく私だってば。

まあ雰囲気は似てるかもしれないけどさー
他の人にもよく言われるし。
だけど自分の母親を間違えないでよね。

ん?

あのさ、
園バスの中で、そのこと言った?


「うん、先生に教えてあげたよ!」

パパと、さっちゃんのママが車に乗ってるって?

「うん、うちの車に乗ってるよって!」

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――えーっと。

――なんか困ったなぁ。