機種変更とその後の話 | ノスタルジック小学校

機種変更とその後の話

この春に2台まとめて携帯電話の機種変更をした。
遅ればせながらmovaからようやくFOMAになった。

みなさんご経験がおありだろうけれど
機種を変更するときには、係の人に訳の分からないいろんなことを勧められる。
正規のショップに行けばそんなこともないのかもしれないけれど、
うちの夫のように
大型家電店なんかのポイントにこだわったりするとなおさらだ。

今回の機種変更も
こちらとこちらのオプションを付けていただくとこれだけ割引しますよ
さらにこちらまで付けていただくとパックで割引です
なんて
春休みで混雑して騒がしい家電店のカウンターで説明されたんだけど
そのうちにもう聞いているのが面倒くさくなってきた。
はいはいはい、仰るとおりにしてくださいまし、という具合。
結局、変更後の請求書を見てみれば
必要のないオプションがいくつもあったので
センターの方に廃止してもらうべく電話をかけた。
抑揚のない自動音声が
あっちの番号は甘いから押せだのこっちの番号は苦いけど押せだの、
まるでホタルにでもなってしまったような気分のままようやくオペレーターに繋がった。

はい、本日担当いたしますカワグチです。
ご用件を承ります。


てっきり若い女性が出てくるもんだと思っていたら、男性が出てきてびっくりした。
それも
高くもなく低すぎもせず、ある程度太くて深みがあって響きの良い、
とにかくいい声をしている。
こういっちゃナンだけど、
携帯電話会社のオペレーターにしておくのはもったいないくらいだ。

えーとですね。
留守番電話とキャッチホンを外してください。
それから転送電話とメロディーコールとiチャネルもいらないです。


シンプル・イズ・ザ・ベスト。余計なものはいらない。

だいたい携帯電話って
電話を携帯しているのになにが留守番電話だよと普段から思っている。
留守というのはしかるべき場所に不在だということなんだから
携帯しているのに留守って日本語としてどうなんだと思う。
いやもちろん
機能に文句言っているんじゃありませんよ。
メッセージ機能が必要な人はいっぱいいるんだろうから。私はいらないけど。

かしこまりました。 カワグチさんが言う。
ただ、大森様、ひとつだけ注意していただきたいのですが、

ふんふん、いったいなんだろう。
カワグチさんの魅力的な声でそう言われると、
未開の地で皆既日食を予言するくらいに重要なことに聞こえてしまうから不思議だ。

このお電話を切ってしまうとすぐに留守番電話機能は使えなくなります。
今、お聞き残しになっているメッセージはございませんか?


(なんだそんなことか。)全然ないです。万事OKです。

かしこまりました。
ジェットストリームみたいにそう言って
カワグチさんは全てのいらないオプションを廃止してくれた。
それにしてもいい声だよなぁ。声もいいけど仕事も出来そうだと勝手に思い込む。
そして私の携帯電話は
カワグチさんのお陰で
ヤマンバ・メイクを洗い落とした女子高生みたいにナチュラルになった。

以上で終了いたしましたが、何かご不明な点はございませんか?
いや特にないみたいです。
ありがとうございました。本日はカワグチが承りました。
今後とも我が社のサービスをご利用くださいますようお願いいたします。


カワグチさん。
はい?
とっても素敵な声で聞き惚れました。こちらこそありがとう。

えっあっいやそそうですか、恐れ入ります。

一瞬だけど素に戻してやった。

悪くない。