長老たちから | ノスタルジック小学校

長老たちから


先日、自治会の役員会というものに参加する機会があった。

知り合いが地区の子供会の会長を今期やっていて、
どうしてもそれに出席せねばならない。
一緒に行くはずだった副会長が都合で行けなくなったのだが
一人じゃ心細いから出来たら一緒に来てくれないかと頼まれたのだ。
そんなの私が同じ立場でも一人じゃ絶対にイヤだ。
よく知った間柄でもあるし、お互い様ということで引き受けた。

自治会の会長さんに副会長さんに総務会長さんは地域の長老だし
役員さんというのは言うまでもなく年配のご婦人たちだ。
まだ30代の私と知り合いは入り口で思わず足がすくんでしまった。
全部で15人ほどの会議。
公民館の狭い一室でこれから何が繰り広げられるのか、
こんばんは、どうぞ入って入って
と笑うご婦人の笑顔の奥にきらりと光る銀歯を見つめながら
どうか食べられちゃいませんようにと祈りつつ、席についた。

議題は近く行われる町内のイベントについて。
今年も例年通りに地引網をやることになったのだが
それの回覧方法や中止の連絡方法、当日の流れ、役割分担などで2時間が過ぎてしまった。
でもこの会議は見ていていろいろとためになった。

年配のご婦人といえども、なかにはくだらない(失礼)提案や質問をされる方もいる。
(回覧には)駐車場のことについて書いていませんがどうなんでしょう とか
市外に住んでいる孫も参加させたいんだけど、これは町内の者しか参加できないのか とか
地引網にもしも魚がかからなかったら、お土産をつけたらどうか、とかね。
そんなの目の前の海で地引やるのに駐車場もなにもないだろうし
市外に住んでいても家族のうちなんだから、自分の家で話し合って参加人数決めればいいだろうし
地引は引くのがメインでそれが面白いわけで、お土産までつける必要はないだろうに
と、こちらとしてはそれくらい自分で考えろよと言いたくなるような質問なのだけれど。

でも
町内会長はそんなことでも絶対に怒ったり軽くあしらったりしない。
それについては僕たちがこうしろと押し付けることはできないんだが
と前置きして
できればみなさんに話し合ってもらって
みなさんさえよければいいというふうにしたらどうだろう
という具合だ。
意見が出なかったりまとまりそうもないときには
さりげなく前年度の例や、他自治会の例を出してみんなをリードする。
はなから否定しない。
結果が分かっている事柄についても、議論をしたうえで結論として退ける。
あくまでも発言した人を立てるのだ。

こうしたことは
恐らくは会議の司会進行としては基本的なことなんだろうけれど
私が知っている会議(多くは主婦たちにおける)ではおおむね、
全く誰も発言しないか
こそこそ隣同士で話し合うか
よく分かったふうな人の独壇場になるかのいずれかだ。
そして終わった後でああすればよかったんじゃないのと道端で言い合う。
(恥ずかしながらもちろん自分にも当てはまる。)

私なんかがこんなところで改めて書くことじゃないけれど
どんな場面からでも、学ぼうと思えば学ぶことはあるものだね。

ところで
じゃあこれを急いで複写して近日中に・・・
なんて言葉がさらっと出るところもスゴイ。

フクシャ?

ああ複写ね。

いやホント、勉強になるんですってば。