読書のこと 2 | ノスタルジック小学校

読書のこと 2

今でも悔やむことがある。

今から6年前、
中一の長女がまだ小学校に上がったばかりのころ。
新一年生の担任はベテランのおばちゃん先生だった。
読書に力を入れていて、
あいうえおが終わったらすぐに本を読ませる方針に切り替わった。


先生が言われるには、
読書は習慣づけが大事なのです。
小さいころから本に触れた子は大きくなっても抵抗なく本を読みます。
読書をする子は
読解力も優れますし、分別がつき、情緒も豊かになります。
できるだけたくさんの本に触れさせてあげてください。
きっとお子さんのためになるのですから。


初めての子だったし、担任はベテランの先生だ。
私は深く考えもせずに、まるでどこかの信者みたいに
真面目に
足繁く図書館に通い
1週間分の絵本を借り
毎晩一緒になって絵本を読み
たどたどしい文字で感想を綴らせた。

週に一度配られるプリントは七つの曜日ごとの欄に区切られていて
読んだ本のタイトル、あらすじ、感想を書き込むようになっていた。
またその下には
その週に読んだ本の中で一番印象に残ったもの、
その理由、感想
そして
親のコメントを添えて提出するように決められていた。

そして月に一度
数人の子どもの感想と親のコメントがコピーされたプリントが配られた。
驚いたことに
なかにはハリーポッターのシリーズなんかを読み続けている子どももいた。
(小1だよ?あんなもん読めるかね?)
もちろん名前は分からないようにしてあるけれど
やっぱり選ばれてコピーされれば、うれしいのは人間の心情というものだ。
また来週も面白い本を読もうねと、子どもと一緒に図書館に通い続けた。

だけど
その学年が終わったとたんに
ぱたりと長女は本を読まなくなった。
なだめてもすかしても絶対に読まない。
しまいには国語の教科書まで嫌う始末に
私はしばらくどうしたらよいのやらてんで戸惑ってしまった。

不思議なことにマンガなら飽きもせずに読み続ける。
そのうち
まあいいや、マンガだって読まないよりはと諦めに近い心境になったんだけど
ある日ぽつりと長女がもらした言葉が忘れられない。

本なら1年生の時に読んだ。
――読みすぎた。



これが今でも私が悔やむこと。


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でも今年の夏休み
中1になった長女に変化が起きた。